研究課題/領域番号 |
14350012
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
尾関 雅志 宮崎大学, 工学部, 教授 (70336288)
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研究分担者 |
前田 幸治 宮崎大学, 工学部, 助教授 (50219268)
吉野 賢二 宮崎大学, 工学部, 助教授 (80284826)
碇 哲雄 宮崎大学, 工学部, 教授 (70113214)
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キーワード | 異種材料接合 / 原始層成長 / GaAs / GaP / InAs / ヘテロ接合 / 界面 / 自己停止機構 |
研究概要 |
化合物結晶GaAs, InAs, GaP基板上に格子定数の異なる異種材料を原子層成長により作製する技術の研究を行った。原子層成長の核心は、成長がある原子層数で自動的に停止する「自己停止機構」にあり、この機構が異種材料間の接合界面の形成過程で働くか否かを明らかにしてその問題点を解析することは、本研究の目的である「原子層単位で界面制御する異種接合技術」の開発に極めて重要な課題である。このような目的を持って具体的な材料系としてGaAs/GaP系、GaAs/InAs系を選択し研究を進めた。原子層成長法はパルスジェットエピタキシー法を用い、Ga、In、As、Pにはそれぞれ有機金属原料トリメチルガリウム(TMGa)、トリメチルインヂウム(TMIn)、トリスヂメチルアミノ砒素(TDMAAs)、トリスヂメチルアミノ燐(TDMAP)を用いた。選択した材料GaAs、GaP、InAsはいずれも同種の基板(つまりGaAs、GaP、InAs基板)の上で、原子1層で停止する自己停止機構をもった理想的な原子層成長が行われる条件を見出すことができた。しかしながら異種材料接合を目指した原子層成長においては、材料系の種類により様々な成長形態が出現した。GaAs基板上のGaP結晶の成長およびInAs基板上のGaAs結晶の成長は広い成長条件下で極めて理想的な自己停止機構が発現した。一方GaAs基板上のInAs結晶の成長およびGaP基板上のGaAs結晶の成長では、自己停止機構を満足する成長条件は極めて狭く限られた領域であった。成長結晶の詳細な評価および成長メカニズムの解析から、格子定数の違いからくる界面歪みエネルギー、および界面に発生するミスフィット転位の導入による歪み緩和が異種材料接合に本質的な役割を持っていることを明らかにした。これらの研究結果を基礎に絶縁膜をも含む新しい異種材料接合系への発展を図ってゆく。
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