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2002 年度 実績報告書

半導体超格子における高位サブバンド間キャリア輸送ダイナミクスの研究

研究課題

研究課題/領域番号 14350013
研究機関大阪市立大学

研究代表者

細田 誠  大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80326248)

キーワード短波長発光素子 / Type-I Type-II遷移 / Gamma-Xキャリア輸送 / 波長変換 / 半導体超格子 / 量子井戸 / マイクロチューブ
研究概要

初年度はフェムト秒パルスレーザーによる光電流インパルス応答計測システムが完成するまでに静的な光励起による蛍光スペクトル測定を行い、以下の成果を得た。
1対の広い量子井戸と狭い量子井戸が広い幅のバリア層によって隔離されている非対称二重量子井戸を周期的に配列した超格子において、バリアー中の高位サブバンド準位であるX1サブバンドを経由した電子輸送により、広い量子井戸から狭い量子井戸の基底量子準位であるΓ1準位に効率的に電子が注入され、同時に広い量子井戸中に生じた正孔を共鳴トンネル効果によって、その準位よりも高位準位に存在する狭い量子井戸中の正孔の基底サブバンド準位に輸送するという超格子構造を設計し、(1)通常、Type-II型となって発光することのない狭い井戸のΓ1基底準位からの発光が効率よく起こることを確認し、通常のGaAs量子井戸では不可能な短波長発光を効率的に起こさせることに成功した。(2)広い量子井戸において長波長の光吸収を行い、それによって生じた光キャリアを狭い量子井戸のサブバンド準位に輸送することにより狭い量子井戸から発光させ、効率的に長波長から短波長への波長変換(アップコンバージョン)を起こす光機能素子を作成することに成功した。
量子井戸薄膜を、それをエピ成長した基盤より剥離し、量子井戸薄膜を巻くことによって量子井戸マイクロチューブを作成し、その井戸内の高位サブバンド準位の振る舞いを測定することに成功した。その結果、通常、Type-II型となる量子井戸においてもマイクロチューブ形成時に生じる1軸性歪みにより、Type-I型への遷移が起こることを発見した。このような量子井戸マイクロチューブは新しい量子構造であり、今後、その性質を研究することは重要となろう。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Y.Hirose: "Efficient short-wavelength light emission from asymmetric double quantum wells by using electron and hole collection into the same narrow quantum well"Appl.Phys.Lett.. 81・20. 3870-3872 (2002)

  • [文献書誌] Y.Kishimoto: "Observation of electronic band-structure modification in microtubed quantum well"Proc. IEEE 2002 Conf. On Optoelectronic and Microelectronic Materials and Devices. (in press).

  • [文献書誌] M.Sato: "Up-conversion by using Γ-X-Γ carrier transport in asymmetric double quantum well systems"Proc. IEEE 2002 Conf. On Optoelectronic and Microelectronic Materials and Devices. (in press).

  • [文献書誌] N.Ohtani: "Photoluminescence property of uniaxially strained GaAs/AlGaAs quantum wells contained in a micro-tube"Physica-E. (in press).

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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