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2004 年度 実績報告書

半導体超格子における高位サブバンド間キャリア輸送ダイナミクスの研究

研究課題

研究課題/領域番号 14350013
研究機関大阪市立大学

研究代表者

細田 誠  大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80326248)

キーワード半導体超格子 / 量子井戸 / サブバンド共鳴 / 高位サブバンド / ガンマ-X輸送 / Lサブバンド / キャリア輸送
研究概要

平成16年度の研究においては高位サブバンド準位間における種々の共鳴について実験的に観測し,バンド計算による分析を行った.その結果,ガンマ-X輸送による電子注入が起こった際にある種の非対称2重量子井戸においては第4から第7ガンマ・サブバンドという非常に高位のサブバンドからの蛍光が観測でき,さらにそれらの非常に高いサブバンドどうしの共鳴も観測可能となる事が分かった.このような非常に高いエネルギー帯にある高位サブバンド間共鳴が明瞭に観測されるのは非常にまれなことであり,半導体量子井戸構造における基礎研究に新規な情報を与えるものである.
また,平成16年度は本研究の最終年度であるため,平成15年度からこれまでに発見された新たな知見に関するまとめの論文を作成し,それらを投稿した.新たな知見として得られたものとしては具体的には以下の事柄がある.
1.量子井戸中のガンマ点以外のLサブバンド準位も半導体超格子内におけるキャリアー輸送に重要な寄与を成す場合がある事を世界で初めて発見した.電子輸送経路としてはガンマ・サブバンド,バリアー中のXサブバンド,隣り合う量子井戸中の基底ガンマ・サブバンドよりも高位にあるLサブバンドの順で輸送が起こり,是によって輸送効率が促進されることが時間分解・光電流測定によって確かめられた.
2.バリアーの薄い非対称2重量子井戸系においてガンマーX輸送によって高位ガンマ・サブバンドに電子注入を行った場合,隣り合う量子井戸中の高位ガンマ・サブバンドとの共鳴による反交差の影響を受けたサブバンド・エネルギー変化が蛍光スペクトルより観測可能である事が分かった.
3.その他,高位準位の関係する種々の新規な興味深い現象が発見されたが,紙数の関係で略す.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Uniaxial-strain-induced transition from type-II to type-I band configuration of quantum well microtubes2004

    • 著者名/発表者名
      N.Ohtani, M.Hosoda, et al.
    • 雑誌名

      Physica E 21

      ページ: 732

  • [雑誌論文] Formation of electric-field domains in an asymmetric double-quantum-well GaAs/AlAs superlattice2004

    • 著者名/発表者名
      N.Ohtani, Y.Hirose, T.Nishimura, T.Aida, M.Hosoda
    • 雑誌名

      Semiconductor Science and Technology 19

      ページ: S89

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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