初年度は、これまでの初期型複合機能電子顕微鏡に組み込む新しい装置を設計製作した。原子直視型複合機能顕微鏡用プログラミングカンチレバー操作装置 本研究では、これまでの電子顕微鏡内原子操作で申請者が行ってきた手動操作を止め、位置と応力印加を、コンピューターによってプログラミング操作できるように、このプログラミング方式を申請代表者が設計製作した。試作品を所属学科の工作室で試作を重ね、その後高い精度で加工できる専門業者に最終的に工作させた。組み込む本体自体が、独自の構造と機能を持っているため、その付随装置もまたそれに合わせて開発することになった。特記すべき点は以下の通りである。 (1)接触時のチップやカンチレバー移動速度を0.01〜10nm/s、応力を10MPa〜10GPaの範囲で自動制御できるように、チップ等を操作するための電圧電源とフィードバック回路、およびコンピューターインターフェースとそのためのソフトウエアを設計・製作した。 (2)現有する複合機能顕微鏡装置に上記の試作品を導入し、電子顕微鏡観察から、設計時の操作と実際の操作の差を調べ、また、原子空間分解能や応力測定機能に劣化が生じないかを調べ、再設計して最適化を図った。 (3)この過程を繰り返し、本実験に見合う装置を完成させた。
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