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2003 年度 実績報告書

偏光双安定面発光半導体レーザを用いた超高速光信号処理の研究

研究課題

研究課題/領域番号 14350027
研究機関山形大学

研究代表者

河口 仁司  山形大学, 工学部, 教授 (40211180)

研究分担者 片山 健夫  山形大学, 工学部, 助手 (80313360)
高橋 豊  山形大学, 工学部, 助教授 (00260456)
キーワード半導体レーザ / 光双安定 / 面発光半導体レーザ / 偏光スイッチング / 3R中継 / 全光型バッファメモリ / スピン偏極電子 / スピン注入
研究概要

偏光双安定面発光半導体レーザを用いた全光型3R中継の提案と理論的検討、およびスピン偏極電子注入素子に関する研究を行い、以下の点について成果を得た。
1.全光型3R中継
波長0.98μm帯偏光双安定面発光半導体レーザを用いて、全光型フリップ・フロップ動作を1 Gbit/sで実現した。弱いトリガ光により面発光半導体レーザの発振偏光をスイッチングでき、光入出力において約10dBの光学利得を得た。又、面発光半導体レーザの偏光双安定性を用いて、光3R(Regenerating, Reshaping and Retiming)動作が実現可能であること、100 Gbit/s程度まで光利得をもつ光3Rが可能であり、160 Gbit/s程度までReshapingとRetimingが可能なことを数値計算により明らかにした。面発光半導体レーザの共振器長を短くすること、バイアス電流を上昇することにより、より高速動作が可能なこともわかった。
2.スピン偏極電子注入光素子
スピン偏極電子が半導体内を伝導する間にどのように緩和するかを明らかにするため、円偏光フェムト秒パルスでスピン偏極電子を光励起し、自然放出光の偏光特性の時間変化から、電子のスピン偏極度とその緩和時間を評価した。これまで明確でなかった光励起された直後の電子のスピン偏極度を明らかにし、輸送中のスピン緩和のより詳細な検討を可能にするため、中間層をはさんで井戸幅の異なる二つの量子井戸をもつ素子を作製した。それぞれの量子井戸からの発光の偏光度の差から中間層でのスピン緩和を測定した結果、電界が弱い場合にはGaAs中を2μm輸送される間に電子のスピンはほとんど緩和しないこと、電界が強くなると緩和が速くなることがわかった。

  • 研究成果

    (11件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (11件)

  • [文献書誌] Y.Sato, Y.Takahashi, Y.Kawamura, H.Kawaguchi: "Field dependence of electron spin relaxation during transport in GaAs"Japanese Journal Applied Physics. Vol.43, No.2A. L230-L232 (2004)

  • [文献書誌] Y.Sato, M.Yamaguchi, Y.Takahashi, Y.Kawamura, H.Kawaguchi: "Spin relaxation measurement of the spin-polarized electrons during transport in GaAs using double-quantum well heterostructure"the European Conference on Lasers and Electro-Optics (CLEO/ Europe 2003). EE1-4-WED. (2003)

  • [文献書誌] Y.Sato, Y.Takahashi, Y.Kawamura, H.Kawaguchi: "Electron spin relaxation during transport in GaAs"the 2003 International Conference on Solid State Devices an Materials (SSDM 2003). E-3-6L. 306-307 (2003)

  • [文献書誌] 佐藤祐喜, 高橋豊, 河村裕一, 河口仁司: "GaAs中を輸送されるスピン偏極電子のスピン緩和の電界依存性"2004年春季第51回応用物理学関係連合講演会. 30p-ZK-2. (2004)

  • [文献書誌] 山口雅剛, 清水成, 佐藤祐喜, 山吉康弘, 河口仁司: "メサ構造InGaAs/GaAs面発光半導体レーザの作製と評価"2003年(平成15年)応用物理学会東北支部 第58回学術講演会. 5aA12. 76-77 (2003)

  • [文献書誌] H.Kawaguchi: "All-optical signal processing using polarization bistable VCSELs for ultrafast photonic networks (招待講演Plenary paper)"International Conference on Advanced optoelectronics and Lasers (CAOL 2003). 4-6 (2003)

  • [文献書誌] 河口仁司: "[招待論文]面発光半導体レーザの偏光双安定スイッチング"電子情報通信学会 信学技報. OPE2003-195, LQE2003-132. 13-16 (2003)

  • [文献書誌] 河口仁司: "偏光双安定面発光半導体レーザーによる超高速光信号処理と光バッファーへの応用"O plus E. Vol.25, No.7. 782-787 (2003)

  • [文献書誌] 河口仁司: "偏光双安定性を用いた超高速光信号処理"応用物理. Vol.72, No.11. 1393-1399 (2003)

  • [文献書誌] 河口仁司: "超高速光エレクトロニクス技術ハンドブック、9.2章「光双安定デバイス」"リアライズ理工センター. 11 (2003)

  • [文献書誌] 河口仁司, 他 分担: "Handbook of Laser Technology and Applications, B2.8"Institute of Physics publishing. 42 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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