研究課題/領域番号 |
14350030
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
志村 努 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (90196543)
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研究分担者 |
黒田 和男 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (10107394)
小田 克郎 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (80177229)
芦原 聡 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (10302621)
藤村 隆史 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (50361647)
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キーワード | リラクサー系強誘電体 / フォトリフラクティブ効果 / 圧電効果 / フラックス法 |
研究概要 |
最終年度は赤外域での感度向上を狙って、Rhをドープした0.91Pb(Zn_<1/3>Nb_<2/3>)O_3-0.09PbTiO_3(PZN-PT)を中心に評価を行った。Rhの濃度は0.01wt.%と0.2wt.%とし、フラックス法にて育成した。結晶は方位出し、切り出し、研磨を行った後、[110]方向にポーリングした。Rh濃度の増加とともに、吸収スペクトルは吸収端付近で大きく増加した。電気光学定数は無添加結晶とほぼ同じ、200pm/Vとなった。 フォトリフラクティブ効果に関する測定の結果は以下のとおりである。波長488nmと633nmでの主キャリアはホールであった。波長488nmではRh0.01wt.%サンプルが最も二光波混合利得が大きく、最大で21cm^<-1>であった。吸収も小さく、実効的利得でもほぼ20cm^<-1>という非常に大きな値が得られた。波長633nmでは相対的に吸収の大きなRh0.2wt.%添加サンプルで最大の二光波混合利得が得られた。波長788nmと1064nmでも二光波混合利得の測定を行ったが、いずれもRh0.2wt.%のゲインが最大となった。応答速度はRh濃度の増加とともに遅くなる、という結果が得られたが、その原因についてはまだ明らかになっていない。 その他、光伝導度、光起電力効果についても測定を行った。光伝導度はどの波長に対しても、Rh濃度の増加とともに小さくなる傾向が見られ、応答速度の結果と矛盾しない結果になった。逆に光起電力効果は、Rh濃度の増加とともに大きくなるという結果が得られた。また波長依存性があり、530nm付近にピークを持つことがあきらかになった。光起電力効果の存在から、結晶を短絡する方が回折効率が大きくなることが考えられ、このことは実験的に検証された。
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