研究課題/領域番号 |
14350034
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
佐々木 孝友 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50029237)
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研究分担者 |
吉村 政志 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60314382)
森 勇介 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90252618)
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キーワード | 非線形光学結晶 / BABF / 結晶構造 / 結晶育成 / 波長変換 / 紫外光発生 / ホウ酸化合物 / 溶液成長 |
研究概要 |
昨年度の研究では、NaFをフラックス成分としてMSSG法により15×15×3.5mm^3の透明なBABF結晶の育成に成功した。しかしながら、この方法では育成中に成長している結晶が溶解するという問題を抱えていた。今年度の研究により、溶液は時間の経過とともに密度の異なる相に分離し、結晶育成を行っている個所が未飽和領域となるために、溶解が始まることが明らかになった。そこで、溶液を常に均一に撹拌するために、プロペラ付きの種結晶ホルダを設計・試作し(通常のプロペラの片側を結晶ホルダに改良)、さらに坩堝の回転機構を導入した。フラックスはNaFを主成分としたものに、少量のLiClを加えた。 この溶液と装置を用いて、種結晶を20rpm、坩堝を60rpmで回転させながら、840℃の溶液を0.5-3℃/dayで徐冷し、結晶育成を行った。最終的に、結晶の溶解は生じないまま、36×21×16mm^3の大型結晶を育成することに成功した。ただし、結晶全域が透明となっているわけではないので、対流条件などを検討する必要があることも明らかになった。 昨年度得られた結晶を用いて、短波長の高調波発生実験を行った。タイプ1の第2高調波発生の位相整合条件で、270〜290nmの紫外光発生を確認した。タイプ2では、389〜420nm光の紫外から可視領域の光の発生を確認した。屈折率分散式から計算される位相整合角と、実験で得られた角度はよく一致しており、分散式の高い信頼性が確認できた。
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