研究概要 |
本研究の目的は、50〜100MHzの高繰り返し白色コンティニュアム光を高効率に安定に発生させるため、直径数mm程度の長尺フォトニック結晶光導波路を、フェムト秒レーザー光パルスを用いてシリカガラス中に作製する光マイクロ加工の基盤技術を確立することであった。研究期間に得られた成果は下記のとおりである。 ・マイクロ空孔の毛細管現象 シリカガラス裏面に蒸留水を接触させ、超段光パルスを用いてマイクロ空孔を作製した。作製した空孔に液体を接触させ、空孔内の液面上昇を観測した。接触後0.2秒内におきる急速な上昇と、それ以降に起こる緩やかな上昇の2段階の上昇を観測した。 ・マイクロ空孔作製条件の検討 マイクロ空孔の直径は、入射エネルギーに依存しており、入射エネルギーを2μJから150μJ/pulseとさせることにより、直径2μmから50μm、長さ1mmのマイクロ空孔を作製することができた。 ・3次元マイクロ空孔の作製 2次元,3次元構造のマイクロ空孔を作製した。また、厚さ1mmのシリカガラスに対して、直径50ミクロンの貫通空孔を作製した。 ・ガラス微粒子の作製 マイクロ空孔作製時に生成したガラス微粒子は、入射エネルギーを変化させることにより、さまざまな形状を有することがわかった。 ・低分散フォトニック光導波路の試作 ホールを2次元的に埋め込み,大きな屈折率差(0.5程度)を利用した長さ数百ミクロンのフォトニック導波路を試作し、導波を試みたが、散乱損失が大きかった。
|