研究課題/領域番号 |
14350038
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
長島 泰夫 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (60091914)
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研究分担者 |
青木 孝義 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 助教授 (30114028)
笹 公和 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (20312796)
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キーワード | AMS / 加速器質量分析 / 長半減期RI / アルミニウム26 / 環境 / 塩素36 |
研究概要 |
今年度は、昨年度に実施した^<26>Al標準試料を用いた^<26>Al検出実験で得られた、^<26>Al/^<27>Al比が10^<-12>の〜1mg^<26>Al試料を〜1時間(統計精度10%)で測定出来、又測定感度は^<26>Al/^<27>Al比で5×10^<-15>の高感度であるという結果を基に、以下の2点の実試料の測定を実施した。その結果、本研究の目的である、"分子パイロットビーム法"に基づき、タンデム静電加速器の特徴と高エネルギー荷電粒子測定技術とを有機的に組み合わせる事で^<26>Alの超高感度測定を実現出来ている事が確かめられ、本研究の主目的を達成することが出来た。今後は、幅広い分野の研究進展に貢献できるよう、この成果を基として本学技術要員の協力を得て定常的に^<26>Al-AMS測定が行えるようなシステム構築を行うこととしている。 1.^<16>O+^<14>N核融合反応により微量に生成される^<26>Alの検出を本研究で開発した方式で実施した。検出感度、精度等に関するデータを収集したとともに、^<16>O+^<14>Nのクーロン障壁以下および近傍エネルギー領域における核融合反応断面積を初めて本方式により測定する事に成功した。従来では困難であった極めて小さな反応断面積を持つ天体宇宙核物理の研究に本方式による測定方法が極めて有効であることの実証する事が出来た。 2.日本各地(東海村を中心に札幌から長崎までの14サンプル地)の表層土壌を採取し、それらに含まれる^<26>Alの^<26>Al/^<27>Al比を本方式で測定し、土壌中の極微量な^<26>Alの検出に成功した。測定値から^<26>Al濃度を求め、環境中における^<26>Al分布の知見を初めて得ることが出来た。環境試料の測定に^<26>Al-AMSが大変に有用であることを示すことに成功した。
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