研究概要 |
静磁場強度2.34T(テスラ),室温開口径40cm,均一静磁場領域16cm球の水平開口型超伝導磁石と,本研究で開発した,100MHz4チャンネル超並列MRマイクロスコープを用いて,同時に4体のヒト胚子を撮像するシステムを構築した.超並列MRマイクロスコープは,4チャンネルの勾配磁場プローブと,4チャンネルの100MHz並列MRIコンソールから構成されている.4チャンネルのプローブのRFコイルは,交換可能となっており,最大内径20mmまで使用できるようになっている.化学固定されたヒト胚子を,保存液(10%ホルマリン溶液)に浸した状態で撮像するために,TR(繰り返し時間)100ms, TE(エコー時間)8msのT1強調3Dスピン・エコー法を用い,カーネギーステージ21の胚子を中心に撮像実験を行った.その結果,128×128×256画素のマトリクスサイズ,120ミクロン立方の画素サイズ,約8時問の計測時間で,明瞭な解剖学的構造を得ることに成功した.この結果により,2年間で約4,000体の胚子の三次元撮像に十分な性能を有する超並列MRマイクロスコープの構築ができたと結論した.
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