研究概要 |
凸最適化問題は,従来から研究されている最も基本的な最適化問題のクラスであるとともに,内点法などの効率的解法の発展に伴い,近年実用面でも新しい応用領域が次々と開拓されている非常に重要な研究対象である.本研究の目的は,凸最適化とそれに関連する諸問題,特に制約つき凸計画問題,大規模半正定値計画問題,単調相補性問題などの諸問題に対して堅固な理論的基盤に立脚した実用的な手法を開発することにより,工学における応用領域の拡大に寄与することである.本研究課題のもとでは,初年度より凸計画問題に対する逐次2次制約2次計画法(SQCQP法)の開発,ヘッセ行列が正則とは限らない凸関数の最小化問題に対する正則化ニュートン法の開発を行ってきたが,本年度はそれらの研究に加えて,凸最適化問題の一般化である単調な相補性問題に対する近接点アルゴリズムの収束を加速するため有効制約の同定法を開発した.さらに,前年に引き続いて,均衡制約をもつ数理計画問題に対する研究にも積極的に取り組み,いくつかの新しい研究成果を得た.それらの研究成果は海外の学術論文誌に投稿し,掲載済みまたは掲載予定となっている.
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