研究概要 |
本研究では,マイクロ接合界面のミクロ構造を考慮したエレクトロニクス実装マイクロ接合におけるマルチ破壊モードの疲労破壊メカニズムを明らかにし、破壊モードの制御手法を確立することを目的とする。本年度は,マルチ破壊モードを評価するための第一段階として,個々の破壊モードの特性を理解する目的で以下の研究について実施した.平成15年度は引き続き平成14年度の研究を行うとともに,以下の内容に沿って研究を遂行する. 1.得られたマイクロ接合構造の各破壊モードの評価基準を用いて,破壊モード間の競合特性について検討し,マルチモードが混在する場合の最終破壊モードの発生条件について検討した.それぞれの破壊モードを支配する力学的なパラメータが異なるが,接合構造の全体数値解析を行うことによって,モード間の相互影響を明らかにすることができた. 2.マルチ破壊モードのモード制御の基本的なアプローチを確立した.それぞれの破壊モードの発生条件に対する構造及び材料の影響を検討することによって,各破壊モードの発生と構造全体の関係を把握することができた. 3.統計的最適化手法を用いて,それぞれの破壊モードの制御と材料・構造信頼性設計手法を確立した.さらに,各破壊モードの発生条件と構造・材料特性の間に応答曲面を生成する.この応答曲面を用いて,破壊モードの発生を近似的に評価する数式モデルを作成することができた. 4.作成した近似数式モデルに破壊モードの寿命ばらつきモデルを融合し,ばらつきを考慮した破壊モード信頼性評価・制御を行うことができた.
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