研究分担者 |
屋代 如月 神戸大学, 工学部, 助手 (50311775)
安達 泰治 神戸大学, 工学部, 助教授 (40243323)
中井 善一 神戸大学, 工学部, 教授 (90155656)
比嘉 吉一 大阪大学, 工学部, 助手 (20335368)
岩本 剛 広島大学, 工学部, 助手 (40274112)
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研究概要 |
結晶すべり面上に生じるひずみエネルギから変態の力学的駆動力を評価し,微視的な領域の相変態を律するマイクロメカニカルモデルを構築した.これを結晶のすべり変形を考慮した結晶塑性理論に基づく構成式に導入し,マルテンサイト変態に伴う結晶構造の変化ならびに体積変化を忠実に表現可能な有限要素単結晶モデルを作成した.ついで,ランダムな結晶方位を有する多くの単結晶からなる代表体積要素で多結晶体を表現し,マクロスケール相変態モデルを作成した,このようにして構築した相変態のマイクロ,メゾ,マクロメカニカルモデルを用いて,単結晶体及び結晶の相互作用を含む多結晶体の変態挙動を解析し,単結晶体の相変態挙動は初期結晶方位に大きく依存し,初期結晶方位により,変形抵抗が大きく延性特性が良好となる場合があることを,多結晶体の解析では,個々の結晶粒は,周囲の結晶粒の変形・相変態挙動の影響を強く受け,単結晶における相変態とは大きく異なること,比較的変態が進行すると,個々の結晶粒の変形・相変態挙動を平均化したものは,体積分率で表した巨視的な変形・相変態挙動に漸近してくることを示した. ついで,シミュレーションの対象と同じ材料に変形を加え,実験的に変態量,機械的性質の変化を評価した.シミュレーションによって予知されたマルテンサイト相の分布形態とそれを平均化して得られた体積含有率,変形抵抗,延性と実験によって得られた対応する結果を比較検討することにより,モデルの妥当性の確認ならびにモデルの高度化を図っている.同時に,多量の計算機処理を高速化し,大規模モデルを構築している.また分子動力学を援用して,格子不安定発生点として変態発生を評価するナノモデルとの連結を推進している.
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