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2002 年度 実績報告書

強磁性形状記憶合金の開発に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14350060
研究機関大分大学

研究代表者

戸高 孝  大分大学, 工学部, 助教授 (50163994)

研究分担者 槌田 雄二  大分大学, 工学部, 助手 (80284785)
榎園 正人  大分大学, 工学部, 教授 (40136784)
金田 嗣教  大分工業高等専門学校, 教授 (70040756)
キーワード形状記憶効果 / 強磁性体 / 高透磁率 / 超急冷 / マルテンサイト変態
研究概要

磁気回路に応用可能な、高透磁率の形状記憶合金を開発することことを目的として,試行錯誤的検討によりFe-Cr-Co-Ni-Si-Mn合金とCo-Ni-Ga合金にてこのような特性を得ることに成功した。液体急冷法で作成した薄帯試料で,その後何も熱処理していない状態での飽和磁化の値が約125emu/gであり,先に検討を行ってきたFe-Ni-Co-Ti合金のそれの約5倍を得ることができた。600℃1時間以上の熱処理で形状記憶効果が大きく向上するが,高温で長時間の熱処理を行うと飽和磁化が下がり,形状記憶効果と強磁性の特性は相反する傾向を示した。本材料では耐腐食性元素のNiとCrを含んでおり,この点でこれまで検討してきたFe-Ni-Co-Ti合金よりもすぐれている。磁化特性を振動試料型磁力計で測定した結果,キュリー温度は650℃程度であるが,60℃付近で一旦強磁性から弱磁性に変化する変態点を有し,示差熱分析の結果からは-50℃付近と300℃付近に変態点があることがわかった。作成した試料は初期の段階ではアモルファス層があり,熱処理により結晶化が進むと形状記憶効果を示すようになるとも考えられる。X線分析では熱処理による明らかな組成の相違がでており,結晶構造変化の解明とマルテンサイト変態点の制御が今後の研究課題である。結晶構造や成分比の詳細な検討は今後の研究課題であり,熱処理条件との関連もまだ十分には明らかにできていない。主要元素成分比と形状記憶効果ならびに磁気特性の関係を明らかにし,高透磁率を得るための最適な熱処理条件を明らかにする必要がある。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] M.Szpryngacz, M.Enokizono, T.Todaka: "Magnetization in Fe-Mn-Cr-Nr-Co-Si Shape Memory Alloy"Journal of Magnetism and Magnetic Materials. 254-255. 410-412 (2003)

  • [文献書誌] M.Szpryngacz, M.Enokizono, T.Todaka, T.Kanada: "The Changes in Properties of Fe-Cr-Co-Ni-Si-Mn Ribbon Prepared by Melt Spinning Method"第26回日本応用磁気学会学術講演概要集. 26. 346 (2002)

  • [文献書誌] M.Szpryngacz, M.Enokizono, T.Todaka: "Composition Influence on Magnetic Properties in Fe-Cr-Co-Ni-Si-Mn Alloy"第12回MAGDAコンファレンス講演論文集. 12. 243 (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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