研究課題/領域番号 |
14350076
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研究機関 | 静岡理工科大学 |
研究代表者 |
大塚 二郎 静岡理工科大学, 理工学部, 教授 (30016787)
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研究分担者 |
恩田 一 静岡理工科大学, 理工学部, 教授 (60350906)
市川 宗次 シグマテック(株), 代表取締役・研究職
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キーワード | 超精密位置決め / 熱変形 / ビジュアルサーボ / サブナノメートル / ナノテクノロジー / 低熱膨張材 |
研究概要 |
(1)熱変形ドリフトを小さくする構造材の選択 超精密位置決め装置のステージを長時間移動しつづけるとモータ等の熱で位置決め装置が熱変形して、基準となるフィードバック用センサも微小移動して、外部の位置決め装置の支持台からみるとステージの位置決め誤差を生ずる。 本研究は、位置決め装置のステージ、ベース、構造材料に熱的物性値の異なる3種類の材料(アルミ合金、ステンレス鋼、低熱膨張材)を用い、装置のベース支持台として4種類の材料(アルミ鋳物、鋳鉄、ステンレス鋼、低熱膨張材)を用いてステージの位置決め誤差へ与える影響を調べた。 ステージが移動をくり返すとき、時間の経過と共にベース、ステージ、ベース支持台が主としてモータからの熱により熱変形していく。そのときのステージ上のある一点が水平方向、垂直方向にどのようにドリフトしていくかを測定した。その結果次のようなことが判明した。 (a)位置決め装置のベース支持台がステンレス鋼製のとき、水平方向位置決め誤差は約2μmとなり、他の材料より大きい値を示した。 (b)ステージ、ベース、ベース支持台をすべて低熱膨張材にしても、水平方向、垂直方向の位置決め誤差は約1μmであり、他の材料に比べて特に小さくなる訳ではない。 最後に、位置決め誤差を小さくするため、モータの発生熱を放散させる方法、モータとベースの間に断熱材を入れる方法、モータをヒートシンクにする等の方法を提案した。 (2)ビジュアルサーボシステムの性能アップ ドリフトを軽減する方法の一つにビジュアルサーボシステムがある。光学顕微鏡で激しく水中を泳ぐブラインシュリンプ(小えびの一種、寸法約500μm)をXYステージの移動により視野の中心に持ってくる制御を働かせるのに、昨年度迄のビジュアルサーボシステムでは十分な応答ができなかった。本年度は制御用PCとアクチュエータシステムとの間の問題を解決して性能を向上させることができた。
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