研究概要 |
平成14年度は、現場の設備操作者による毎日の設備点検に用いる携帯式知的簡易診断装置の開発法について研究し、回転機械の故障診断を対象として検証を行い、次のような研究成果を得た。 1.設備診断のために計測した信号に対して,従来の設備診断機器のノイズ除去法の問題点を検討し,最新の研究成果を診断器に応用するために、微小な異常信号を最も抽出し易い領域(時間領域,周波数領域および時間・周波数領域)における解析を行い,統計的検定法,GAおよびGPなどによる異常信号の最適抽出法の確立を行った。 2.確立したノイズ除去法を携帯式診断器で実現するために、ハンドヘルド・コンピュータ(Visor)プログラミングの開発研究を行った。 3.抽出した異常信号に対して,これまでに提案・定義されている携帯式診断器用の特徴パラメータを調査してまとめ,さらに使用しうる特徴パラメータ(これらの特徴パラメータは基礎特徴パラメータと呼ぶ)を新たに定義し、基礎特徴パラメータの故障識別感度の評価を行った。 4.遺伝的プログラミング(GP)、ファジィ・ニューラルネットワークなどの手法による基礎特徴パラメータの統合法について検討し、携帯式診断器で実現できる基礎特徴パラメータの再組織化による診断用特徴パラメータの自動生成システムの構築を行った。 5.自動生成した特徴パラメータを診断指標として,可能性理論や統計理論により異常有無の判定法(判定基準)を確立し、簡易診断の結果として、構造系異常(アンバランスやミスアライメント等)、自励系異常(自励振動や共振等)、摩耗系異常(軸受傷や歯車異常等)の識別方法の確立を行った。 6.上記に検討した諸手法により簡易診断装置システムのソフトウェアとハードウェアとのプロトタイプの試作を行った。 7.試作した簡易診断装置システムを回転機械シミュレータによりその有効性の評価を行った。
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