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2003 年度 実績報告書

二層構造表面性状の評価法とその機能に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14350084
研究機関明治大学

研究代表者

塚田 忠夫  明治大学, 理工学部, 教授 (00016437)

キーワードplateau surface / stratified function / lubricating properly / uncertainty / stylus tip / contact measurement / Fractal / wavelength limitation
研究概要

研究計画に沿ってされた今年度の主な成果は次のようになる。
(1)平成14年度に購入した三次元粗さ測定器の制御システムに改良を加え、触針の走査方向の精度を向上させた。
(2)負荷曲線を導くためのアルゴリズムを開発した。
(3)大量のデータを高速に処理するソフトウェアを完成させた。
(4)負荷曲線を正規確率紙に変換するためのアルゴリズムを開発した。
(5)二層構造表面の性状を得るためのレシプロ形式の摩擦・摩耗試験機を設計・製作した。
(6)不規則な表面凹凸を触針でなぞって得られる包絡曲線を基にして、触針先端半径に起因する不確かさを明確にした。
上記(1)〜(5)は二層構造表面を実験的に得て解析するための手段の準備であり、(6)は本研究の基盤となる不確かさの確立に寄与するものである。(6)は完結したので、以下にその内容を述べる。
不規則な機械加工面の微細な凹凸は、パワースペクトル密度関数表示すると、長波長域でほぼ一定のパワースペクトル密度をもち、短波長域においてべき乗で減衰する。本研究では、さらに短い波長域で触針先端半径に依存して急激に減衰する現象を初めて見出した。これは触針先端半径によるという仮説をたて、種々の半径をもつ触針を用いて実験した結果、急激に減衰するパワースペクトル密度は、触針の先端半径に直接依存することを明らかにできた。
この結果から、触針先端半径が0、すなわち触針先端半径の影響のないパワースペクトル密度関数が推定できることが分かった。このパワースペクトル密度関数を基にして、触針先端半径の影響がない微細凹凸をフラクショナル・ブラウン変動の理論から生成した。
触針先端半径の影響のない微細凹凸を、任意の先端半径をもつ触針でなぞって得られる包絡曲線からパワースペクトル密度関数を求め、触針先端半径による減衰率を推定し、機械的なフィルタリングのカットオフ値を求めた。このカットオフ値は、ISOに規定するローパスフィルタのカットオフ値にきわめて近いことを発見し、触針先端半径の管理の重要性を提示した。
これらの結果は、将来、ISOの国際会議等で披露して、標準化の基礎とすることを考えている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 吉田一朗, 塚田忠夫: "触針形状測定における不確かさ"日本設計工学会2003年度春季研究発表会講演論文集. 2003春季. 93-96 (2003)

  • [文献書誌] 吉田一朗, 塚田忠夫: "粗さプロフィル補正による触針先端半径に起因する不確かさの解析"精密工学会2003年度秋期大会講演論文集. 2003秋期. 32-32 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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