研究課題/領域番号 |
14350087
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
藤川 重雄 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70111937)
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研究分担者 |
一條 眞古人 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50001988)
矢野 猛 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60200557)
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キーワード | 気液非平衡 / 相変化 / 分子気体力学 / 分子動力学 / 凝縮係数 / 衝撃波管 / メタノール / 水蒸気 |
研究概要 |
気液2相の境界面における相変化現象は分子レベルのメカニズムを含み、この現象を理解するためには分子レベルでの適切な実験を行う必要があると同時に、分子気体力学や分子動力学に基づく理論的解釈を必要とする。本研究は衝撃波を利用した相変化の実験と分子気体力学に基づく数値実験を組み合わせることにより、境界面での相変化速度やそれを支配する凝縮係数を解明することを目的としてなされたものである。具体的には、(1)メタノール及び水蒸気の広範囲な気液非平衡状態での相変化速度の測定、(2)測定結果の分子動力学に基づく数値実験との比較による凝縮係数の決定、(3)分子動力学に基づく数値実験による凝縮係数の純理論的決定、(4)凝縮係数のモデル化と理論の構築を目的としている。 平成15年度では、メタノール蒸気を資料気体として、蒸気で満たされた衝撃波管の管端で衝撃波が反射した直後に管端で生ずる膜状凝縮現象に着目して、凝縮速度を測定する実験を行った。また、実験に対応する分子気体力学の数値実験を行い、実験と比較検討を行った。数値実験では多原子分子気体に対するGaussian-BGK-Boltzmann方程式を差分法により解析した。その結果、以下のことを明らかにした。 (1)凝縮係数は、気液平衡状態に近づくと1に近づく。 (2)気液平衡状態からずれていくと、凝縮係数は1よりも徐々に小さくなっていく。 さらに、凝縮係数を純理論的に求めるために、気液非平衡状態での相変化現象の数値実験を可能とする分子動力学法の解析手法の研究を行った。本年度の研究によりこのことが可能になった。
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