研究課題
基盤研究(B)
キャビテーション現象は、液体を用いるあらゆる機械にとって最も厄介な異常流動現象であり、回転機械の高速化に対する最大の障害であるため、もしもキャビテーションを簡便に抑制できる技術が開発されれば、夢のターボ機械が実現される。キャビテーションは、機械の種類によって様々に異なった形態で現れるため、すべての機種に共通的に適用しうる方法を解明することが本研究の目的である。そのため、本研究は、研究担当者らが異常流動を抑制する目的で開発した新しい手法(Jグルーブ)を利用して、様々な形式の水力機械に適用して、キャビテーション抑制における有効性を解明しようとするものである。代表的水力機械としてポンプを採り上げるが、キャビテーション形態はポンプ形式により大きく異なる上に、Jグルーブの形状寸法によってもその抑制効果は著しく異なる。そこで本研究の目的は、各形式の水力機械に適合なJグルーブの形状を適用することで、キャビテーションに対する吸込性能の向上を図ったものである。本研究の成果としては、最も激しいキャビテーションの発生が予想されたインデューサに対しては、Jグルーブと後退スイープ付インデューサの組み合わせにより、低流量域だけでなく設計点付近でもキャビテーションを抑制することができ、吸込性能が大幅に向上した。過大流量域では,主羽根車に流入する流れを制御することにより、大幅に吸込性能を向上させることができた。なお、旋回キャビテーションの抑制効果も検証した。遠心ポンプのクローズド形式羽根車に対しては、羽根車の吸込み口と羽根の入口形状を新たに設計し、Jグルーブの形状とのマッチングにより全流量で効率および吸込性能の両方の向上ができた。セミオープン羽根車を装着した遠心ポンプに対しては、吸込口のケーシング壁面側にJグルーブを設けることにより、全流量域で吸込性能の向上ができた。
すべて 2005 2004 2003
すべて 雑誌論文 (6件)
Proc.of 6^<th> KSME-JSME Thermal and Fluids Engineering Conference (CD-ROM)
ページ: EA.04
The 6^<th> KSME-JSME Thermal and Fluids Engineering Conference, Jeju, Korea EA.04(CD-ROM)
Proc.of 22^<nd> IAHR Symposium on Hydraulic Machinery and Systems Vol.2
ページ: B1-1
Proc.of 22nd IAHR Symposium on Hydraulic Machinery and Systems, Stockholm, Sweden Vol.2, Paper No.B1-1
Proc.of Fifth International Symposium on Cavitation (CAV2003), Osaka, Japan, November 1-4,2003 (CD-ROM)
ページ: Cav03-4-006
Fifth International Symposium on Cavitation(CAV2003), Osaka, Japan Cav03-OS-4-006(CD-ROM)