研究課題/領域番号 |
14350093
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
大坂 英雄 山口大学, 工学部, 教授 (90024611)
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研究分担者 |
亀田 孝嗣 山口大学, 工学部, 助手 (70304491)
望月 信介 山口大学, 工学部, 助教授 (70190957)
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キーワード | 乱流境界層 / ストリーク構造 / 縦渦 / 組織構造 / スケーリング則 / 空間平均 |
研究概要 |
本研究の目的は、主流中に設置したデルタ翼にスパン方向の周期的な振動を与え、翼から生成されるTrailing vortices(縦渦)と乱流境界層との干渉過程を実験的に調査することである。中でも、壁近傍における乱流構造に及ぼす影響を考察することである。 研究2年度目において、主流中においてスパン方向の周期的振動を与えたcommon-flow downの縦渦対と乱流境界層との干渉過程を調査した。振動周波数は結果に及ぼす影響が見られないことが確認されたため、1Hz一定で実験が行われた。干渉開始から下流方向における代表的横断面内において平均速度、乱れ強さおよびレイノルズ応力分布と局所壁面摩擦係数のスパン方向分布を計測した。 与えたスパン方向の周期的変動の空間変動および時間変動成分に対する寄与を明らかにするため、空間平均操作を導入した。時間平均操作により得られた速度成分をスパン方向で平均することにより、スパン方向空間平均を求めた。また、時間平均からスパン方向空間平均を差し引いた成分を空間変動とした。これにより、瞬時速度成分は空間平均、空間変動および不規則変動成分の3つに分解された。これら3成分間の関係を考察するため、それぞれの速度成分に対応した運動エネルギーに関する輸送方程式を導いた。 干渉過程において、スパン方向空間平均された運動量厚さは増加し、形状係数は減少するという結果が得られた。これは縦渦との干渉が境界層のエントレインメント増加に寄与することを示すものである。運動量厚さおよび形状係数の変化に対するスパン方向周期的変動の影響はほとんどみられない。スパン方向の周期的な振動を加えることにより空間変動レイノルズ応力の値が減少し、不規則変動成分レイノルズ応力の値が増加した。 スパン方向周期的変動が局所位置における乱れエネルギーの輸送過程に影響を及ぼしていることが示された。
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