研究課題
基盤研究(B)
本研究の目的は、主流中に設置したデルタ翼にスパン方向の周期的な振動を与え、翼から生成されるTrailing vortices(縦渦)と乱流境界層との干渉過程を実験的に調査することである。中でも、壁近傍における乱流構造に及ぼす影響を考察することである。研究期間終了年度において、多点プローブによるストリーク構造の計測とストリークの間隔に及ぼす縦渦対の影響を実験的に調査した。実験はこれまでに時間平均量や周期平均量分布が明らかになっているcommon-flow downの条件で行った。多点プローブは12本の単一熱線センサからなるものを自作した。単一熱線センサはスパン方向にその間隔が2mmで配置された。この間隔は縦渦を導入するまえの非撹乱流における粘性長さの30倍程度であり、12本のセンサからなる同時計測プローブの全幅は粘性長さのおよそ500である。このプローブを縦渦対と乱流境界層が干渉した領域の壁近傍(壁面からの距離は粘性長さの15倍)に設置し、計測を行った。低速ストリークの検出にはVITA法と二点の速度相関を用いる方法により行った。この方法により非撹乱の運動量厚さに基づきレイノルズ数がおよそ2000における低速ストリークのスパン方向平均間隔は、粘性長さの150倍であった。この値は従来から得られている粘性長さの100倍のオーダーであり、本検出法の妥当性を確認できた。多点同時計測プローブと検出法を用いて縦渦対と干渉した領域における低速ストリークの間隔を調査した。粘性長さで無次元化したスパン方向間隔は吹き下ろし領域においては増加、吹き上げ領域において減少する結果が得られた。それにより、低速ストリークの間隔には外部からの撹乱の影響が作用することがわかった。それらはそれぞれ、単位スパン方向当りのバーストの発生頻度の減少および増加に結びつくと考えられた。
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日本機械学会論文集B編 71(印刷中)
日本機械学会論文集B編 70
ページ: 571-578
日本機械学会中国四国支部第42期総会・講演会講演論文集 045-1
ページ: 349-350
日本機械学会流体工学部門講演会講演論文集 04-25(CD-ROM)
Transactions of the Japan Society of Mechanical Engineers, Ser.B Vol.70
Proceedings of 42th Annual Meeting of Chugoku-Shikoku Branch of the Japan Society of Mechanical Engineers Vol.045-1
Proceedings of the Annual Meeting of Fluid Mechanics Branch of the Japan Society of Mechanical Engineers Vol.04-25 (CD-ROM)
日本流体力学会年会2003講演論文集 22
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2003 Annual Meeting of the Japan Society of Fluid Mechanics Vol.22
Transactions of the Japan Society of Mechanical Engineers, Ser.B (In press)