本年度は、以下の項目を解明あるいは実施した。 1)天然ガスから高効率転換が可能な有機化合物であるデカリン単味の燃焼では、軽油等に比べて着火特性およびNO_x生成特性は殆んど変わらないが、C/H比が大きいにも拘らず炭素微粒子生成率が低い。 2)デカリンの高熱量化改質成分であるH_2あるいはCOを添加雰囲気とすることによる有機化合物の着火特性では、負温度係数域(NTC)は変化しないものの、COに比べてH_2添加によって着火遅れが低温度域ほど増加し、その程度は高着火性有機化合物において著しい。 3)同様の改質成分であるH_2あるいはヘキサンとデカリンの混焼においては、デカリン単味の場合と比べて着火特性は若干悪化するが、NO_x低減のためのEGR効果と炭素微粒子生成の抑制効果とが向上する。 4)有機化合物の高熱量化改質時における成分制御のための改質条件を素反応解析による基礎計算から明らかにした。また、その実証のための改質装置の開発をほぼ終了した。
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