ノンホロノミック拘束を受ける車両群の編隊形成制御とその発展に関する研究

2002 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 14350117
• 研究機関: 東京工業大学
• 研究代表者: 倉林 大輔 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 講師 (00334508)
• 研究分担者: 池田 貴幸 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (40323795) ; 美多 勉 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (60092102)
• キーワード: 群ロボット / ノンホロノミック拘束 / 編隊形成制御

研究概要

本年度においては、1.ノンホロノミック拘束を受ける車両群の編隊形態への静定・目標追従制御アルゴリズム、2.ホロノミックロボット群の編隊形態遷移による障害物回避アルゴリズム、を構築した。
1.リーダーが他の車両(航空機)を従えた形の編隊形成について、ノンホロノミック拘束を受ける車両群のモデル化を行った。これについて非線形逆運動学に基づく厳密線形化およびバックステッピングを利用した、編隊形態への静定アルゴリズムを明らかにした。また、一定数の車両群が編隊を形成する際の相互衝突回避問題について、静定制御と衝突回避制御の相互スイッチングによるハイブリッドシステムを形成することによる制御手法を明らかにした。これらの手法により、自由空間において車両群が編隊形態でない初期位置から移動を開始し、相互の衝突を回避しながら編隊形成を行うことが可能となった。これらについて、シミュレーションによりその有効性を確認した。
2.ホロノミックロボット群の編隊形成における隣接制御対象決定問題に対して計算幾何学におけるドロネー三角形分割を導入することにより、特定のリーダーを必要とせず、かつ環境中の障害物回避問題に対して動的に編隊形状を遷移させることができる手法を構築した。また、自律型車両群が自ら環境中の適切な経路を選択・学習する手法について、確率モデルを用いた定式化を行い、最適状態の算出手法および学習性能について明らかにした。これらによって、車両群が編隊を維持した状態では通過困難な狭雑環境において適応的に状態を変化させて通過を行い、かつその後に編隊形態に復帰することが可能となった。これらについて、数値計算およびシミュレーションによりその有効性を確認した。

研究成果

• [文献書誌] E.Yang, Y.Masuko, T.Mita: "Ouptput tracking control using nonlinear dynamic inversion method for autonomous formation flight"Proc.31^<st>SICE symposium on Control Theory. 31-36 (2002)
• [文献書誌] E.Yang, Y.Masuko, T.Mita: "Formation keeping control with dynamic extention and exact linearization for autonomous formation flight"Proc.19^<th> symposium on Guidance Control. 199-206 (2002)
• [文献書誌] J.Jongsuk, T.Mita: "Formation control of UAVs in 3D space ---Controllers design ---"ICASE/SICE joint workshop : Intelligent Control and Systems. 66-71 (2002)
• [文献書誌] D.Kurabayashi, T.Kushima, H.Asama: "Performance of decision making : individuals and an environment"Proc.IEEE International conference on Intelligent Robots and Systems. 2831-2836 (2002)
• [文献書誌] E.Yang, Y.Masuko, T.Mita: "A dual controller approach to three-dimensional autonomous formation control"Proc.AJAAIICAS International Air and Space symposium and exposition. (accepted). (2003)
• [文献書誌] E.Yang, T.Mita, H.Xiang: "Relative position-keeping control of multiple satellite formation flying"Proc.21^<st> AIAA/ICAS International communications satellite system conference. (accepted). (2003)