研究課題/領域番号 |
14350119
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
遠藤 満 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (80016584)
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研究分担者 |
西垣 勉 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (80251643)
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キーワード | 鉄道車輪・レール系 / 騒音 / 車上設置型デバイス / 能動的消音制御 / 転動音 / 継目衝撃音 |
研究概要 |
今年度は実際に、レール加振装置、車両床・側板パネル系および車上設置型デバイス1基を実装して実際に能動的消音制御の実験を実施した。また、継目衝撃音の実車両計測およびレール放射音特性の理論解析も行って、デバイス設計およびその構成法の基礎となる知見を得た。以下項目別に記述する。 1.「転動音と継目衝撃音の放射音特性の理論的・実験的把握」 昨年度からの転動音の放射特性の理論解析の継続として、境界要素法によるレールからの放射音の指向性の理論解析を行った。また、継目衝撃音については、東急目黒線の奥沢-大岡山間で実車両の衝撃音特性を測定し、インパルス性の低周波音よりもクラスターとしての高周波音変動を消音制御すれば良い、との知見を得、ほぼ800Hz付近に卓越周波数を持つ転動音を消音制御出来れば継目衝撃音も人間の耳障りにならない事が分かった。 2.「車両床・側板模擬パネル系およびレール加振装置の設計・製作」 60kgレールの踏面を動電型加振器で750〜850Hzのランダム波で加振する装置を設計・製作し、さらにこれを囲む車両床・側板を模擬したアルミハニカム板よりなるΓ形のパネル構造系を作製した。 3.「車両設置型デバイスの設計・製作と実際の消音制御実験の実施」 研究支援者である、ビーバ株式会社の八百板晃氏に委嘱して、波動吸収制御法の原理に則ったデバイスのプロトタイプの型5基を作製し、この1基に実際にパラボラマイクロホンとスピーカを実装した。 さらにアナログ電気回路系をベースとする広帯域フィルター群からなるコントローラを製作した。 以上のコントローラを1次騒音源としてスピーカを使用して調整し、実際に消音制御実験を実施した。 この結果、騒音源をスピーカに設定した場合には、レールから見通せる空間でほぼ-8〜-9[dB(A)]の騒音低減効果が得られ、また音源が実際のレールの場合でも-3〜-6[dB(A)]の消音制御効果が得られる事を確認する事が出来た。
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