研究概要 |
1.三菱重工製7自由度汎用知能アームPA-10のグラフィックスシミュレータを構築した.グラフィックスシミュレータは,3次元グラフィックスライブラリであるOpenInventorとC言語を用いてLinux上に構築した.入力装置として3次元スペースマウスを使用している.これにより,操作者はマニピュレータ手先の6自由度に対し速度指令を自由に与えることができる. 2.PA-10のような関節軸にオフセットがない冗長マニピュレータに対し,従来より提案しているSC法を適用した.開発した方法は,列拡張ヤコビ行列の零空間ベクトルを用いる方法と,拡張ヤコビ行列の余因子行列を用いる方法の2種類である.PA-10は軸にオフセットがない比較的シンプルな機構を持つため,いずれも解析解の形で解を求めることができる.この結果に基づき,助長マニピュレータの特異点の解析を行った.また,両者の関係も明らかにした.これらの方法を用いると,アルゴリズム特異点を引き起こすことなく,冗長運動を安定に実現することができる.また,提案する手法は,冗長運動を実現する成分と手先運動を実現する成分を明確に分離できることを示した. 3.上述のグラフィックスシミュレータを用いて,開発したSC法を7自由度マニピュレータに適用した.PA-10は球状リストを持つため,4自由度の冗長並進部と3自由度の姿勢部に分けて本手法を適用する.これにより,提案する手法の有効性を検証した. 4.三菱重工製7自由度汎用知能アームを購入し,現在実験装置を構築中である.次年度に実際に開発した手法を実機に適用し,これを検証する予定である.
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