研究課題
初年度で主に測定器のハードウエア基本部分の構築を行い、次年度は測定誤差の発生源の探求とその改善方法の検討を行い、最終年度(今年度)は改善方法を実験機に組み込んで性能改善を試み、現在は世界最高といえる性能を実現できるようになっている.今年度行った改善内容を以下に示す.1.超高輝度LED光源を日本国内だけでなく広く調査してその製品を導入し、干渉画像のS/Nの改善を試みた.また用いる2波長の最適値を計算し、導入した超高輝度LED光源とバンドパスフィルターと組み合わせて光源の最適化を図り、測定精度の向上を実現した.2.アポリクロマッテック設計された顕微鏡光学系であっても、実際に用いた2波長(503nm、591nm)では色収差が発生した.この収差を補正できる光学系を開発し顕微鏡上部に組み込んで、測定結果に色収差が殆ど影響しないようにし、測定精度向上を実現した.3.対物レンズの開口が影響する高さ測定値の真値からのずれが観測されたが、これを測定時に取り込んだ画像データを用いて独自に補正できる方法を組み込み、標準段差試料を用いた実験で、ずれが正しく補正される事を確認した.4.110Frame/sの高速画像取り込みモード下で、Z軸走査スピード46μm/秒で形状測定できるようにした.土の速度はサブナノメートルの測定精度を実現している現在市販されている高速測定装置(同じ取り込み速度のカメラを用いる)の約4倍のスピードであり、世界最高速度である.5.白色干渉下での位相抽出では単色干渉を用いる場合に比べ、光路差の変化に伴うコントラスト変化が非常に大きく、これが抽出位相の誤差となる.しかし、これまでは単色を前提にしている位相抽出法しか市販器では用いられてこなかった.本研究では、コントラスト変化があることを前提とした位相抽出法を新たに考案し、これが正しく位相抽出できることを確認した.
すべて 2004
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Proceedings of SPIE, Optomechatronic Sensor, Actuator, and Control 5602
ページ: 73-82