研究概要 |
本研究は、指先端リンク基部に配置された6軸力モーメントセンサ,人工爪基部に配置された歪みゲージ,操作対象の位置姿勢を検出する視覚センサ,および関節角度エンコーダからの感覚情報を統合し,表面被覆の柔軟さと爪を含めた人間類似幾何形状情報とを利用した物体操作手法を開発して,器用な指先を工学的に実現し,その性能限界を明らかにすることを目的とする. 本年度は、柔軟被覆と爪を有するロボット指先を装着した多関節ロボットを用い、その作業技能について研究をすすめ、以下の成果を得た。 1)指先作業スキルの開発 指先で操作中の対象物体に滑らかな平面とシャープなエッジとがあるとき、指先柔軟被覆の変形によるトルク伝達特性の変化に着目し、指先の接触状態の変化を動的に検出する新手法を開発した。これにより視覚情報に頼ることなく、操作対象形状に応じて安定に物体を操作できる可能性を開いた。 2)人間型ロボット上肢の作業動作計画手法の開発 多関節指を有するロボットアームのための自由動作空間の記述および生成法を考案した。これは、人間が操縦したロボットアームおよびハンドの掃引空間を衝突のない安全な空間として3次元作業空間内で再構成するもので、環境内の障害物の幾何学モデルを必要としないため、危険な非整備環境での遠隔作業システムの自律制御を可能にするものである。生成された空間記述を用いた障害物回避動作計画システムを開発した。 3)人間型多関節多指ロボットハンドの構造評価 人間が指を使って行う多様な作業を分類し、その実行の可否により人間類似構造の4関節指ロボットハンド構造を評価した。
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