1)校正システムの設計と製作 精密回転型空気軸受上に、基準ロータリエンコーダとして2つのエンコーダA、Bを取り付け、エンコーダBの信号をフィードバック信号として用い、同軸に取り付けた直流ダイレクトドライブモータで等速回転制御を行う。基準エンコーダA、Bはそれぞれ10個の検出ヘッドを取り付けられるようにした。また、エンコーダAの検出ヘッドは割出用の回転型空気軸受上にあり、高精度エンコーダとACダイレクトドライブモータを使った割出機構によって、1秒の精度で任意の位置への割出しが可能である。また割出後の完全固定化のために、板バネのディスクブレーキ方式を採用した。 2)誤差測定回路の設計と製作 これまでの誤差測定回路に大幅なメモリ追加と見直しにより、これまでの回路が70万点の誤差を16ビットで測定していたのに対し、6400万点の誤差を32ビットで測定できるようにした。また、エンコーダの同時測定数を11個から42個と増加させ、基準クロックを50MHzから100MHzに向上させ、測定分解能をあげた。また、エンコーダの分周比も細かく設定できるようにし、測定状況をモニターできるようにした。内挿信号も測定できるようにした。また、時間変換法のほかにカウンタ法での測定も可能とした。以上の機能をもつLSIを搭載したDOS/Vコンピュータ用のPCIバスボードを開発した。 3)誤差測定演算プログラムの開発 測定条件として、基準エンコーダ、パルス数、エンコーダパルス分周比、測定原点、測定エンコーダを指定し、測定開始する。測定中は測定の状況を1秒ごとにモニターし、測定終了後、データファイルを作る。その後、誤差演算を行い、結果を表示する。
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