研究課題/領域番号 |
14350145
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
三谷 康範 九州工業大学, 工学部, 教授 (10192759)
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研究分担者 |
鵜飼 裕之 名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40135405)
北條 昌秀 徳島大学, 工学部, 助手 (10314840)
佐伯 修 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (20252596)
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キーワード | GPS / 位相計測装置(PMU) / 電力系統 / 系統安定度 / データサーバ / 周波数制御 / ウェーブレット変換 / DFT |
研究概要 |
平成14年度に西日本60Hz系統において100V電圧の位相計測装置の設置を完了し、定常的な観測実施体制を整えた。これに引き続き、平成15年度には横浜国立大学と八戸工業大学において100V電圧の位相計測を開始した。これと並行して、計測したデータを収集管理するためのデータサーバの構築を行った。データ管理の保守性・安全性を考慮して、データ収集サーバは九州工業大学と名古屋工業大学に設置した。一方、収集したデータを用いた電力系統動特性解析についても検討を進め、大阪大学・九州工業大学のグループにおいては、Wavelet変換を用いた時間波形の周波数分解を行う手法を適用し、また名古屋工業大学のグループはDFT解析と適応型バンドパスフィルタを用いた解析法を構築し、それぞれ、西日本60Hz系統内の各種電力動揺の抽出を行った。とくに、周期2〜3秒の長周期電力動揺は系統間の電力融通量が増加すると不安定側に特性が変化するといわれており、この動揺の様子を詳細に捉えることが可能になった。また、他地域に分布させた計測器をGPSで時刻同期させていることにより、広域の特性を時刻を合わせて観測することが可能になったことを用いて、系統擾乱発生時の動揺の伝播特性についても解析を行った。その結果、発電機の異常停止に伴う擾乱の伝播や、地震発生後の発電機動揺の伝播の様子を捉えることに成功した。その結果、数百kmの距離を約1秒で周波数変動が伝播することが明らかになった。徳島大学のグループでは電力系統の周波数制御特性を抽出する方法について検討し、地域間の周波数制御特性の推定が可能になった。
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