研究課題/領域番号 |
14350152
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研究機関 | 岐阜工業高等専門学校 |
研究代表者 |
小崎 正光 岐阜工業高等専門学校, 校長 (80023191)
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研究分担者 |
村本 裕二 名城大学, 理工学部, 講師 (70273331)
所 哲郎 岐阜工業高等専門学校, 電気情報工学科, 教授 (10155525)
長尾 雅行 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (30115612)
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キーワード | エチレンプロピレンゴム(EPR) / 極低温 / 高分子複合材料 / 充填剤 / 空間電荷 / 絶縁破壊 / トリーイング |
研究概要 |
本研究においては、極低温電気絶縁技術の高性能化を目的として、エチレンプロピレンゴム(EPR)に注目し、その極低温電気絶縁への適応可能性について研究を行った。本研究では特に、充填剤がEPRの絶縁破壊特性に与える影響について、極低温領域における絶縁体中の空間電荷の振舞いと電気絶縁特性との関係から検討を行った。その結果、室温においては絶縁破壊の強さに充填剤配合量依存性が現れ、この原因として、充填剤界面が空間電荷層を抑制することが示唆された。一方、極低温においては充填剤配合量を変化させても、EPRの絶縁破壊痕性にほとんど影響が現れなかった。従って極低温での絶縁破壊特性には、空間電荷効果や界面を介した弱点破壊・熱破壊よりはむしろ、電子なだれによる効果が支配的であると考えた。また、極低温における空間電荷の注入量は室温に比べ少なく、注入された空間電荷の外部電界による移動も少ないことが示された。これらにより、極低温では、直流電圧印加時にも空間電荷層の形成は少なく、絶縁設計の観点から室温に比べ有利になることが示唆された。 次に、極低温におけるトリー開始電圧は、室温の約3倍と高く、かつ、発生したトリーも小さいことが示された。室温においては、充填剤が配合されるとトリー開始電圧がやや低くなるものの、充填剤はトリー進展を抑制することがわかった。極低温においても充填剤の効果によりトリー進展が抑制されるが、極低温では充填剤の界面が改善され、充填剤がトリー開始電圧を低下させる影響は小さくなった。さらに充填剤を高分子に添加することは、機械的強度を向上させ、クラックを発生しにくくし、耐トリーイング特性を改善した。また、高分子材料表面の初期劣化過程の診断に関する表面物性を用いた知見を得た。これらの成果を次に示す論文等で報告し、極低温電気絶線材料の電気絶縁設計を高性能化する上での重要な知見を得た。
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