研究課題/領域番号 |
14350157
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
河村 純一 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教授 (50142683)
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研究分担者 |
佐多 教子 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20271984)
神嶋 修 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (90321984)
服部 武志 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教授 (20029234)
入山 次郎 日本電気(株), NECラボラトリーズ, 研究員
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キーワード | 薄膜電池 / 二次電池 / リチウム電池 / 固体イオニクス / 超イオン導電体 / 固体電解質 / レーザーアブレーション / イオン伝導性ガラス |
研究概要 |
本年度は、昨年度に引き続き銀系ガラス薄膜電池の熱蒸着法による作成と、新たにレーザーアブレーション(POD)法による、リチウムイオン伝導性ガラス薄膜の作成と薄膜電池の試作を行った。 銀系ガラス薄膜電池としては、ヨウ化銀系ガラスを用いて銀/ヨウ素・アルキルアンモニウム電池を作成した。この電池は、空気中でも安定に動作し0.65Vの起電力が得られた。 一方、レーザーアブレーション法により作成されたリチウムイオン伝導性ガラスは、そのガラス組成により薄膜のモーフォロジーに大きな差違が見られた。熱蒸着法によっては、容易に均一膜が得られたLi2O-B2O3(LBO)系などはPLD法では掖滴化しやすく、緻密な膜は得られなかった。一方、Li-V-Si-O(LVSO),Li-Ti-O(LTO)系のガラスは、PLD法により緻密な膜が得られることが分かった。X線回折によりこれらの膜はアモルファス状態であることが分かった。また、全固体薄膜電池を構成する際の、正極材料であるLi2CoO2や負極材料であるLi-Sn-Al-P-O(LSAP)なども良好な薄膜が得られた。PLD法による薄膜形成性と組成・レーザー波長依存性について、現在検討を進めている。 作成された、LVSO,LTO膜について、櫛状電極を用いてイオン伝導度を測定した結果、バルク結晶に較べて約4桁低い室温で10-8S/cm程度の値を示し、また顕著な膜厚依存性が見られた。これらの薄膜の赤外吸収および表面の電子顕微鏡観察の結果、薄膜の表面に炭酸塩が形成されることが分かり、それが伝導度低下の要因となっていると予想される。 現在、PLD法により、Pt/Li2CoO2/LVSO/In/Ptからなる多層膜を作成し、二次電池としての特性を測定している。
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