研究概要 |
1.短チャネルMOSFET用、ゲート絶縁膜材料として、Y_2O_3,HfO_2,Pr_2O_3超薄膜を、原子層制御MOCVD法を用いてシリコン基板上に作製した。分光エリプソメトリ法を用いて、薄膜堆積過程のその場観察を行った。作製した薄膜の構造は、透過電子顕微鏡、X線回折、SIMS, XPSなどの方法で評価を行った。また、MOSダイオードのC-V特性、1-V特性およびMOSFETのトランジスタ特性を測定した。 2.原子層MOCVD法では、原料ガスパルス、酸化ガスパルスの供給時間を変化させて、最適成長条件を探索する必要がある。分光エリプソメトリ法でリアルタイムにモニターしながら薄膜堆積を行うことにより、能率的に最適パルス供給条件を見つけることができた。 3.等価酸化膜厚1.2nm、ゲートリーク電流2.47×10^<-3>A/cm^2という世界最高水準のHfO_2薄膜を実現することができた。HfO_2薄膜を用いたnチャネルMOSFET構造を作製することによりチャネル移動度34cm^2/Vsが得られた。リモートフォノン散乱の機構により移動度低下の原因を議論した。Y_2O_3薄膜のエリプソメトリスペクトルを解析し、Y_2O_3層、シリケート層、SiO_2層の3層モデルで良く説明できることを明らかにした。Pr_2O_3薄膜の成長条件(基板温度、酸化剤流量、アニール温度)と結晶性、組成などの構造特性との相互関係を明らかにした。また、ダイオードを作製し、電気特性を測定した。
|