研究課題/領域番号 |
14350162
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
松本 光功 信州大学, 工学部, 教授 (80020981)
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研究分担者 |
武井 重人 信州大学, 工学部, 助手 (50262689)
森迫 昭光 信州大学, 工学部, 教授 (20115380)
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キーワード | Sm-Co合金薄膜 / 磁気記録媒体 / 垂直磁気異方性 / 基板加熱 / 高保磁力磁性体 |
研究概要 |
Sm-Co合金は、SmCo_5組成において10^7J/m^3以上という磁性材料中最大の結晶磁気異方性を有する物質であり、これに垂直磁気異方性をもたせ、必要な諸特性を付与して、超高密度記録に適した媒体を開発することを本研究の目的としている。垂直磁化容易軸をもつSm-Co薄膜はCu下地層を用いて達成された(Sm-Co/Cuと表記する)。Cu作製には膜厚200nm、基板加熱なし、Sm-Co層作製には基板温度300℃、組成比SmCo_5最適であることが分かった。 Sm-Co/Cu薄膜においては、Sm-Co層厚が10nmという薄層の場合でも、H_<o⊥>=6-8kOe、M_<r⊥>=400emu/cc、角形比S_⊥=0.55、配向比OR(H_o)=7.6という優れた磁気特性を示した。また、Sm-Co/Cr薄膜(面内磁化容易軸をもつが、特性は優れている)は経時変化(酸化による磁気特性の変化)を防ぐため1nm厚以上のCr表面保護層を必要とするが、Sm-Co/Cu薄膜においてその必要性はない点は、大きな利点である。 Sm-Co層厚10nmのSm-Co/Cu薄膜は、平均粒径=35nm、表面粗さ=5nmである。粒径は基板温度と共に増加する。Cu層の表面粗さは9nmである。粒径は20nm以下にしたい。そのために基板温度を250℃程度としたい。Cu薄膜のシード層としてfcc構造の物質を主に種々試みたが、今のところ負の結果しか得られていない。結晶性、融点、固溶性を考慮して更に試行を続ける予定である。適合したシード層を適用することにより、基板温度を低下させても上記の優れた特性を確保できると予想される。
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