研究概要 |
今年度の最大の課題はチタン酸バリウム結晶に透明電極をつけることであった.これには幾度もの試行錯誤の結果,成功した.その結果,外部より結晶に電界を印加することが可能となり,外部印加電界による光スイッチング動作を実験的に確認できた.しかし透明電極の透明度と電気伝導率が悪く,性能向上のためには更なる改良が必要である.あるいは,不透明な電極で外部電界を印加する光学的配置を新たに案出する必要がある. この電極は結晶の両端面にあるためキャパシタンスの働きをする.このキャパシタンスを含む電界印加回路のインピーダンスを,新規購入したLCZメータで実測した.その結果,この結晶の電気・機械的振動モードに起因すると思われる3つの共振周波数を観測した.この振動モード(あるいはそれに関連するインピータンス特性)については現在検討中である.またキャパシタンスが非常に大きく,駆動のためにはかなりの大電流が必要であることが判明した. スイッチングに要する時間の測定も,当初,重要な検討項目と考えていたが,現有の光検出系では応答が遅すぎるため,測定不可能ということが判明した.次年度の検討項目としたい.
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