研究概要 |
昨年度はチタン酸バリウム結晶に外部電界を印加するため,電気伝導度・透明度とも改良の余地はあるが,電極をつけることに成功した.これにより今年度は,外部電界を印加して,フォトリフラクティブ効果による4光波混合のスイッチングの実験が可能になった. 今年度の最初の成果は,ここで提案する光スイッチの原理的検証が可能になったことである.最初に原理的実証実験を行い,外部印加電界により光スイッチングが可能であることを実証した(研究発表参照). 次にスイッチング時間の検討を行った.当初の測定では光検出器の応答速度が充分でなかったため,光検出器の応答時間程度以上の高速であることが分かった.より高速な光検出器を新規購入し,再測定したところ今度は外部印加電界を発生する電力増幅器の応答速度程度以上の高速であることが判明した.現在,この実験結果を公表すべく準備中である. 光波長多重信号の場合には,全く同じ系により,高速波長選択スイッチとしても動作可能である.これについては理論的考察を行い,波長選択特性と必要電界を計算した.数値例を挙げると,波長が0.5145μm,結晶長が4mmの場合,識別可能な最小の波長幅は約0.7hmで,それに必要な電圧は80Vと実現可能な値となった(研究発表参照)
|