研究課題/領域番号 |
14350175
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
中島 康治 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (60125622)
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研究分担者 |
小野美 武 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (70312676)
早川 吉弘 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (20250847)
佐藤 茂雄 東北大学, 電気通信研究所, 助教授 (10282013)
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キーワード | Inverse Function / 負性抵抗 / 最適化問題 / カオス / アクティブ人工ブレイン / 集積回路 / 遅延 |
研究概要 |
本研究テーマは、構成的手法により脳の情報処理機能の獲得を目指して、自励発振能力をも含むアクティブな基本特性を堅持したシリコンニューロンによりマクロな場としての結合系、シリコンブレインを構成することを最終的な目的としている。 前年度は研究の中核となるIDモデルの特性解析について数値解析を中心に研究を行い脳の情報処理で非常に重要な役割を果たしていると考えられる、カオス的な振る舞いや刺激応答についての重要な結果を得た。特にこのIDユニットの特徴的な性質の負性抵抗効果についてその設定領域などを明らかにした。 本年度は前年度の成果を基に、大きく二つの研究を進めた。 負性抵抗のネットワークシステムにおける役割:対象な結合ネットワークシステムはいわゆるリアプノフ関数に対応するエネルギー中の運動として捕らえることが出来るが、この系で所望の極小値(安定点)に負性抵抗を設定することで不安定化可能で、最適化問題の解探索において初期値依存性を無くし、正解への到達率を高めることが出来ることを明らかにした。また、IDモデル発振特性を利用した最適化問題の正解表現を発見し、従来困難とされてきた問題に対して飛躍的な正解率を得る現象を確認できた。これは従来の静的な情報処理とは異なる動的情報処理として興味深い結果である。 IDネットワークのハードウェア化:VDECによるアナログIDネットワークチップの試作・測定を行い、IDモデルのキーとなるN字型の関数を生成する非線形抵抗回路動作を確認した。また、最小システムである一つのIDユニットと一つの結合素子を用いたネットワークで負性抵抗効果を確認できた。加えて大規模化を目指したストカスティック手法のデジタルシステムに置いては1000ユニット全結合システムの開発に成功し、IDモデル化への基礎的な部分回路の設計を行っているところである。
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