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2003 年度 実績報告書

固有ジョセフソン接合とそのテラヘルツ機能性

研究課題

研究課題/領域番号 14350176
研究機関弘前大学

研究代表者

中島 健介  弘前大学, 理工学部, 教授 (70198084)

研究分担者 水柿 義直  電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (30280887)
キーワード高温超伝導 / 固有ジョセフソン接合 / ジョセフソン・プラズマ / テラヘルツ / 磁束フロー / ジョセフソン効果 / ボルテックス
研究概要

ビスマス系やタリウム系の銅酸化物高温超伝導体は、超伝導性の格子面と絶縁的な格子面が交互に積層した結晶構造を持っているため極めて強い異方性を有し、また、これらの積層格子面に垂直な方向の電流輸送特性は超伝導面同士のジョセフソン弱接合によって支配されるため固有ジョセフソン効果と呼ばれる現象が発現する。固有ジョセフソン効果を利用した単結晶接合デバイスは、高温超伝導体の持つ大きなエネルギーギャップを有効に利用できることから、テラヘルツ帯でも動作が可能な高速デバイスへの応用が期待される。15年度は、段差基板上にLPE成長させたBi2Sr2CaCu208単結晶薄膜を用いて固有ジョセフソン接合フラックスフロー素子(IJJFFD)を作製し、常伝導金属電極の影響を排除した接合特性や磁束フロー特性の測定を可能とした。15年度は磁束フロー状態にあるIJJFFDにミリ波を照射したときの高周波応答特性に注目して、接合内を運動するジョセフソンボルテックスの運動に与える高周波の影響を詳細に検討した。その結果、(1)高周波照射によるジョセフソンボルテックスの位相ロック現象を確認し、(2)印加した高周波の周波数とジョセフソン関係式を満たす電圧に明瞭なゼロ交差ステップを得ることに成功した。
これらは固有ジョセフソン接合においては、初めての観測例であり、固有接合の高周波特性、磁束セフロー特性の解明に役立つだけでなく、応用面でも極めて重要な知見である。特に、(2)ゼロ交差ステップの発生は、固有ジョゼフソン接合内を伝播する高周波が、運動するジョセフソンボルテックスによって増幅されていることを意味しており、テラヘルツ波の増幅。発振につながることが期待される。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] J.Chen, K.Nakajima: "Wideband Frequency Metrology using High Temperature Superconducting Josephson Junctions"IEEE Transactions of Applied Superconductivity. 13・1. 1143-1164 (2003)

  • [文献書誌] 中島健介: "パルス管冷凍機と可変磁場永久磁石によるBi-2212固有ジョセフソン接合の磁束フロー特性"低温工学. 38・1. 31-35 (2003)

  • [文献書誌] J.Chen, K.Nakajima: "Sensitivity of high temperature superconducting Josephson detectors at millimeter-wave band"Superconductor Science and Technology. 16. 1391-1393 (2003)

  • [文献書誌] Y.Mizugaki, K.Nakajima: "Zero-Crossing Shapiro Step in a Three-Junction SQUID Magnetically Coupled with Two Phase-Shifted RF Signals"IEEE Transactions of Applied Superconductivity. 13・1. 924-929 (2003)

  • [文献書誌] Y.Mizugaki, K.Nakajima: "Intrinsic Josephson junctions in c-axis oriented La_<1.85>Sr_<0.15>CuO_4 thin films"Journal of Applied Physics. 95. 2534-2538 (2003)

  • [文献書誌] K.Nakajima: "Microwave-induced effects on collective vortex motion in Bi-2212 intrinsic Josephson junction stacks"Superconductor Science and Technology. (印刷中). (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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