研究概要 |
本研究の目的は,コンピューティングデバイスやネットワークリンクが多様化,遍在化する環境において,移動するユーザが所望のサービスをユーザの環境に最適な携帯で享受しえる情報インフラを構築することである.今年度は,昨年度に引き続きセッション層モビリティサポート機構,サービスハンドオフ機構に関する検討を推し進めるとともに,各種機構の展開・改善,テストベッド上への実装を行った.また,各種機能の改善を図るためにテストベッド上で,動作確認,検証を行った. 1.セッション層モビリティサポート機構の開発と実装 昨年度検討を行ったセッション層モビリティサポート機構をセッション層ミドルウェアモジュールとして開発し,テストベッド上で動作検証を行った.動作検証の結果,サービスの切替の際にユーザビリティの低下が確認されたため,セッション層モビリティサポート機構の再設計を行った.具体的には,PDAなどユーザが所持するパーソナルデバイスからサービスハンドオフを制御する機構を新たに追加した.さらに,その動作を確認した. 2.サービスハンドオフ機構におけるコンテキスト情報に関する検討 サービスハンドオフ機構とパーソナルメッシュ機構の検討をさらに推し進め,テストベッド上に実装を行った.特に,サービスハンドオフを実現する上で必要不可欠なコンテキスト情報に関し,ユーザ自身でユーザの状況を入力するプレゼンス情報を交換し,複数の他ユーザのプレゼンス情報を自律分散的に分析しプレゼンスを合成する技術を新たに開発した.また,昨年度開発した無線ネットワークリンクの品質測定機構や位置情報取得システム,プレゼンス分析機構など,さまざまコンンテキストアウェア情報を統一的に管理する機構について検討をおこなった.
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