研究概要 |
本研究の目的は,コンピューティングデバイスやネットワークリンクが多様化,遍在化する環境において,移動するユーザが所望のサービスをユーザの環境に最適な形態で享受し得る情報インフラを構築することである. 具体的には,通信の途中であっても,ユーザが環境の変化にあわせて利用端末を変更できるサービスモビリティの実現に向けモビリティサポート技術を開発した.本モビリティサポート技術は,一つの端末に対してネットワークの達性を確保するターミナルモビリティサポート技術が主にネットワーク層の識別情報に基づいてモビリティをサポートするのとは異なり,ユーザが利用するアプリケーションサービスとの親和性が高いセッション層においてモビリティをサポートしている. さらに,サービスモビリティをユーザの置かれた状況に応じて行うために,ユーザのコンテキストを把握するシステムを構築した.特に,ユーザのコンテキストとして,無線ネットワークリンクの品質や位置情報,ユーザ自身のプレゼンス情報に注目し,これらの情報の取得分析機構を構築した. 最後に,テストベッドネットワーク上にセッション層モビリティサポート機構とユーザコンテキスト把握機構を統合したシステムを構築し,その有用性を確認した.
|