光波長分割多重(WDM : Wavelength Division Multiplex)技術の急速な進歩により、200波を越える波長多重数を実現する技術がでてきたことから、波長をチャンネルと見立ててネットワークを構成することが可能になってきた。本研究は、これをさらに発展させて、1000波を越えるような超多重のWDMの実現を目指し、さらに各波長チャンネルの利用法の柔軟性を高めるために利用波長域を任意に変化させたり、他のチャンネルと交換出来るような技術を実現し、これによって可能になる超多チャンネルpホトニックネットワークの可能性を見極めるのが本研究の目標であり、この目標に向けてフォトニック結晶による高効率な波長変換技術を追究しその特性を明らかにしようとしている。本年度は、まずフォトニック結晶ファーバーによる4光波混合の効率を求めるための実験系の準備を進めた。既存のWDM伝送システムで用いられる1.55μm帯に加えて、1.6μm帯、1.4μm帯、1.3μm帯の光源、高増幅率のファイバー増幅器、などの基本的な実験設備を準備すると共に、高い非線形係数を持つ2種類のフォトニック光ファイバーを入手しそれらの基本的伝送特性を測定した。一方、超多重WDMチャンネルを用いることによって可能性が出てくるフォトニックネットワークの構成法について多面的に研究し、とくに地域網において種々の利点があることを明らかにし、ROF(Radio On Fiber)を併用してワイヤレス通信系との融合を可能とすることへも利点を明らかにすることが出来た。
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