研究概要 |
本研究では,マルチメディア情報通信向けシステムの構築と,その低消費電力VLSI化に関する研究開発を行った.具体的には1)エラー検出・エラー隠蔽アルゴリズム開発と評価,2)低演算オブジェクト抽出アルゴリズム開発,3)音楽符号・復号化アーキテクチャ開発,4)低演算3D音像定位アルゴリズム開発と評価,5)JAVAアクセラレータVLSI化設計,および6)アーキテクチャレベル評価システムの構築を行った. 1.エラー検出・エラー隠蔽アルゴリズム開発と評価 画質の劣化が少ない電子透かしの埋め込み手法を考案し,エラー検出の効果を評価することにより,エラー検出アルゴリズムを開発した.また,周囲マクロブロックの動きベクトル情報や周囲の画素情報の選択的方法を検証し,低演算エラー隠蔽アルゴリズムを考案した. 2.低演算オブジェクト抽出アルゴリズム開発 人の顔情報(色・形状)をパラメータ化し,座標変換等を用いて効率よく抽出することにより,低演算オブジェクト抽出アルゴリズムを開発した. 3.音楽符号・復号化アーキテクチャ開発 次世代音楽符号化アルゴリズムを解析し,共通となる処理やボトルネックとなる処理を抽出した.それらに対し,効率よく処理可能な演算器,データパス構成を考案し,性能評価を行った. 4.低演算3D音像定位アルゴリズム開発と評価 3D音像定位に必要不可欠な頭部伝達関数をダミーヘッドを用いて測定し,少数パラメータによるモデル化を行った.DSP上にモデル化した頭部伝達関数によるフィルタ処理を実装し,有用性に関し,主観的な評価を行った. 5.JAVAアクセラレータVLSI化設計 携帯機器向けJAVA命令セットを解析し,演算器の構成を検討した.それに伴い,JAVAアクセラレータのパイプライン構成を検討し,スタック処理などに関して効率のよいアーキテクチャを考案し,VLSI化設計を行った. 6.アーキテクチャレベル評価システムの構築 システム全体の構成を検討し,プロセッサ,メモリ,バス,専用回路などの各構成要素において,エネルギーに基づくモデル化を行った.
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