強い量子相関を持つ光ファイバ型パラメトリック増幅器を実現して、PPLN(周期ポーリングLN)を用い量子相関状態での光積和演算の特徴を確認し、その応用として量子分散補償を試みることを目標としている。 光ファイバパラメトリック増幅器を試作して特性を評価し、如何に量子相関を高めるかを検討中である。基本としてSBSを抑圧すべくポンプ波波長ditheringをかけ400mWでゼロ分散波長近傍1544.5nmで2.5km長DSFを励起して信号波-35dBmにて平行利得45dBを得た。直交利得は利得幅、飽和特性に平行利得と大きな差異が存在する。量子相関向上のため偏波依存分散の影響を測定し、信号波アイドラ波間の時間整合法を検討した。実用的信号波-10dBmでは比較的平坦な平行利得が実測されるが、高次パラメトリック過程を考慮してもシミュレーションとの一致はよくないことが判明した。また、使用しているDSFは、損失は大きいが、偏波モード変換量はきわめて少ないことを新方式の測定で確認した。しかし、偏波状態不整合度が利得の非対称性に関連する可能性もあり量子相関を高める課題のひとつと抽出した。 光積和演算に用いるPPLNを用いる光学系を整備した。また、ポンプ波のコヒーレンス向上のため外部共振可変波長光源で10nsパルス励起する方式を採用し、2.5Gb/s信号波を同期光パラメトリック増幅する同期法を検討し発注し、納入を完了した。量子相関利用測定には光ファイバ型パラメトリック増幅器は結晶型より未開拓で多くの課題が存在することが判明、対策法を強力に推進する。
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