研究概要 |
本研究の目的は,プレーナ形励磁コイルと巨大磁気抵抗素子による複合プローブを用いた高密度プリント配線の性状検査法を開発することである。本年度の研究概要は下記の3点である。 (1)マルチGMRセンサの設計製作と特性把握 非破壊検査用の巨大磁気抵抗効果素子(GMR)について,ハードデスクヘッドメーカとの交渉により,サイズ18μm幅,180μm長さ,2素子構造を製作した。特性は,周波数特性(<100MHz),感度(8-15%(ΔR/R)/G),直線性特性,抵抗値(500-600Ω)などを確認した。 (2)GMR+プレーナ形コイル複合プローブの製作とプリント基板検査 上記のGMR素子をプレーナ形ミアンダコイル上にレイアウトしたGMR+プレーナ形コイル複合プローブを製作した。このプローブによるプリント基板での検査データは来年度に行う。GMRに代わってソレノイドコイルとした複合プローブによるプリント基板検査評価について,配線幅100μmについて雑音対信号比の評価により50dB以上あり検出可能である。ソレノイドコイルより高感度のマイクロサイズのGMR素子により目標とする線幅50μmの配線検査は可能であると判断する。 (3)検出信号の画像処理による異常部分の抽出システムの検討 プリント配線より得られる2次元検出信号イメージからの欠陥部分の抽出プログラムについて,信号の相関関数と正常基板と比較手法を用いたMatLabによるGUIプログラムを完成させた。今後,このプログアムを基礎に確度の高い,高速な手法について検討する。
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