研究課題/領域番号 |
14350221
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
計測工学
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
石丸 伊知郎 香川大学, 工学部, 助教授 (70325322)
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研究分担者 |
平田 健二 四国計測工業(株), 高松技術研究所, 主査
大平 文和 香川大学, 工学部, 教授 (80325315)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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キーワード | ステッパ / フッ化カルシューム / レンズ / 透過率 / 吸収係数 / 光熱変換効果 / 光音響 / 光カロリメトリ |
研究概要 |
提案する光音響法により、低吸収係数(約0.1%)の大口径(直径:200mm、厚さ:50mm)レンズ(材質:フッ化カルシューム)の透過率面内分布計測を行った。従来の光カロリメトリと比較検証した所、良好な計測結果で有る事を確認した。本比較検証実験では、大口径レンズを小片に分割して検証を行わなければならなかったが、フッ化カルシューム単結晶成長時に残留した内部応力の影響が計測できる事が判明した。これは、大口径レンズを複屈折計により内部残留応力を計測し、光音響弾性波強度との関係を調べた結果、相関が有る事がわかった。また、小片に分割する事により、内部残留応力が開放されて弾性波強度も変化する事を実験により確認した。つまり、内部応力により光エネルギーが吸収されると言う、従来の知見とは異なる新たな発見がなされた。これは、ArFレーザの様な高フォトン光源特有の現象であると考えており、内部残留応力による圧縮荷重により原子間隔が狭くなり、それにより電子軌道のエネルギー準位が低くなる事に起因していると考えている。エネルギー準位が低くなると、電子の余剰エネルギーにより、電子が伝導体にまで登り、これが自由電子となる。自由電子が存在するだけでは、ドルーデ反射として知られているように100%光は反射されてしまい吸収はされない。つまり、内部残留応力を生じていて自由電子が発生していても、従来の可視光程度のフォトンエネルギーでは光吸収現象は観測されない。しかし、極紫外線である高フォトンエネルギーを有する短波長光の場合、プラズマエッジを越えるエネルギーが加わる為、反射率は極端に小さくなり、その結果、光吸収現象を生じる。本現象を、我々が世界で初めて定量的に観測し、モデル化した。これにより、次世代ステッパーレンズの更なる高品質化に寄与できる。
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