本研究は以下の7課題について取り扱った。それぞれ以下のような研究実績が得られた。 (1)信頼性が高くロバストなセンサの開発については、プロトタイプから実用化タイプを設計した。関連メーカーが製品を製造している。開発したセンサは本生体計測以外でセキュリィティーなどの広範な分野に応用できる。 (2)超省電力生体情報計測回路については、主として電力消費の大きかった低周波計測データの無線送信機部の電力を抑え、0.1Hzから3V、1.5mAの回路を試作した。回路全体で必要な電流は2mAであり、単一電池2個で3500時間連続運転可能となった。 (3)生体信号処理LSI回路の開発については、昨年開発済であり研究へ自主参加した(株)JEPICOで生産を開始した。このLSIも広く多くの計測信号処理に応用できる。 (4)生体信号から健康度を判定する方法については、健康度を睡眠のよさに還元し睡眠段階の計測法の開発のテーマとして取り組んだ。心拍数、体動の大きさをベースとする新たな睡眠段階は推定法を提案し、従来のR&Kと比較し実用に耐える精度が得られた。 (5)被験者のプライバシー保護のあり方についてはアンケートにより調査した。アンケートではこの件は必ずしも明確にはならなかったが、プライバシーに関する一般要件を満たすようにした。 (6)健康モニタ受け入れ心理条件についてもアンケートにより調査した。年齢や性別により受け入り心理が異なることがわかった。 (7)システム統合に関しては、マイコンに基本生体計測、睡眠判定機能を組み込み睡眠判定ユニットとしてまとめた。
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