研究概要 |
本研究では,研究代表者が構築してきた手法を拡張して,鋼構造付属物の外力推定,継手部の損傷検出に適用し,実用的かつ高信頼性の構造性能評価を確立させることを目指している. 平成14年度は,主に外力同定に関して研究を行った.具体的には,(1)遮音壁などに作用する動荷重を逆解析により同定するための,計測手法・逆解析手法の構築,(2)室内実験による検証である. 対象模型としては,実験室内の片持ち鋼板を対象に,インパルス力,地震慣性力,音圧下での実験を行い,逆解析手法が有効であることをあきらかにした. 具体的には,レーザードップラー速度計を用い,片持版を対象に,モード特性を常時微動データから同定した.その手法としてERA(Eigenvalue Realization Algorith)法を用いて,高次モードまでの動特性(固有振動数,モード減衰,モード形)を正確に把握することが可能となった. その上で,構造物に作用する動的応答を2個のレーザードプラー速度計により計測し,その外力逆解析法としては,一般化逆行列法と正規化法を改善したものを用いて,動的外力の時刻歴を推定した.3ケースともに,高い精度で同定が可能であった.
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