研究概要 |
1)交通荷重の測定方法の高度化および,実測されたデータの分析・応用 支点反力を用いたBridge Weigh-in-Motion(BWIM)の手法を実用化し,いくつかの道路橋において活荷重モニタリングを行った.取得した荷重データから自動車荷重が橋梁の疲労劣化に与える影響を分析した.大型車両の夜間交通が地域問題となっている路線でモニタリングを実施し,夜間交通の実態を分析した. 2)劣化予測のための構造モニタリング技術の開発 標識柱,照明柱などの橋梁付属物を対象として,ビデオ画像からの画像計測手法の実証試験を行った.このシステムによる観測結果から,橋梁上の設置位置や橋梁形式等の違いが照明柱の振動に与える影響を分析した.また,振動体に簡易に取り付け可能な振動モニタリングシステムを開発し,その適用性を検証した.また,公衆電話回線を通して遠隔モニタリングシステムを汎用プログラムを用いて構成し,モニタリングデータ取得状況の把握や,計測器制御を低コストかつ簡易に行う手法について実証試験を行った. 3)劣化予測手法の開発・検証および疲労試験データの蓄積 構造的応力集中が存在するために従来の基礎的な継手試験体データが適用できない箇所において,適切な疲労強度を評価する手法として,すみ肉溶接止端部の板厚方向の応力分布を利用する"1mm法"を提案し,従来の試験結果を再評価することによりその適用性を検証した.また,ガセット溶接継手の小型試験片による長寿命域での疲労試験を続行し,低応力範囲,長寿命域での疲労試験データを蓄積した,さらに,25年間大気暴露された無塗装の耐候性鋼材による試験体について疲労試験を行い,腐食による形状変化が疲労強度に与える影響について分析した.また,実際に橋梁に設置されていた標識柱について実際の振動モードを模擬した繰り返し荷重による疲労試験を行い,劣化予測のための基礎的データを取得した.
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