研究分担者 |
村田 修 鉄道総合技術研究所, 構造物技術開発事業部, 部長
高橋 章浩 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (40293047)
桑野 二郎 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (30178149)
神田 政幸 鉄道総合技術研究所, 構造物技術開発事業部・基礎・土構造, 副主任研究員
|
研究概要 |
環境振動の地盤内伝播特性の把握および合理的振動遮断対策の確立は早急の課題となっている.環境振動問題は主に理論的研究や解析的手法による検討は数多く行われていたが,模型実験による検討事例は少ない.明確な境界条件,物理・力学条件を有する物理モデルでの検討は解析的手法のデーターを検証する面からも有用であると考え,本研究では遠心場において衝撃/定常加振ができるシステムを新たに開発・試作し,環境振動問題の振動遮断対策に関する系統的な遠心模型実験を行っている. 平成14年度は,(1)完成版落体振動源システムの確立,(2)(1)を用いた合理的な振動対策法の効果確認,(3)地表面繰り返し振動源システムの開発,そして(4)実施工にて使用する遮断材料の開発および力学特性の把握について実施した.以下に,得られた知見について述べる. まず,(1)については試作された装置を改良し,要求する性能を満足するシステムを確立した.これの詳細については国際論文集および国内学会誌に既に掲載された.(2)について,振動源対策および伝播経路の対策である振動遮断壁工法について検討した.その結果,振動遮断壁の材種の違いにより,振動低減量に大きな違いが見られ,特にインピーダンス比が1以下のEPS遮断壁は大きな振動低減効果を発揮した.この詳細ついても,国際論文集(1編),国際シンポジウム(2編),年次講演会等に掲載されている.(3)について,環境振動問題が影響する振動数帯域は1〜60Hzといった広範囲な振動数帯域について検討する必要があり,遠心模型実験での相似則を満足するためには至っていなかった.しかし,本研究において1〜12000Hzまでの周波数帯をカバーする小型起振装置を汎用することにより,環境振動問題に対応した実験を行うことに成功した.なお,これらの成果については国際シンポジウムおよび年次講演会に既に投稿している.最後に,(4)については試験配合の結果を用いて現場施工確認実験を行った際に,試料をサンプリングし,それを用いて繰り返し三軸試験を行い,振動遮断壁材として最適な材料であることを確認している.なお,これについては年次講演会にて発表した. 以上,本年度の成果をもとに,平成15年度は現場施工による振動低減確認実験およびトンネルから発生する振動についての振動低減方法の提案について検討していく予定である.
|