研究分担者 |
桑野 二郎 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (30178149)
井澤 淳 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (70345388)
村田 修 鉄道総合技術研究所, 構造物技術開発事業部, 部長(研究職)
神田 正幸 鉄道総合技術研究所, 構造物技術開発事業部, 副主任研究員
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研究概要 |
環境振動の地盤内伝播特性の把握及び合理的振動遮断対策の確立は早急の課題となっている.そこで平成14年度は遠心力場において衝撃・定常加振が出来るシステムを新たに開発・試作し,地表面を伝播する環境振動問題の振動遮断対策に関する系統的な遠心模型実験を行ってきた.一方,近年都市部では地下鉄道トンネルの近傍に施設や家屋等を建設したり、既存の建物直下に地下鉄道を建設したりする事例が増加している。このような場合、周辺地盤の変形問題だけでなく、地下鉄道から発生する地盤振動も重要な問題となっている.したがって,地盤内の伝播特性を正確に予測し,有効な振動遮断対策を施すことが必要となってくる。トンネルから地盤への振動伝播については,現場測定により計測した例がある.しかし,実際の現場では地盤物性・境界条件等が非常に複雑であり、振動の伝播メカニズムを十分に解明するのは困難な状況である。そこで平成15年度は遠心力場で地下鉄からの振動を再現する加振装置を開発し,簡単な境界条件の元で一様地盤内での実験を行った.今年度は平成15年度に完成させた加振装置を用いて,地下鉄からの振動伝播特性把握につとめた. シールドトンネルの縮尺模型内に小型起振器を設置し,地下鉄振動の発生源を模擬した加振装置を用いて62.5Gの遠心場で実験を行った.そして,トンネル径7.5mのシールドトンネルから発生する地下鉄振動を模擬し,振動加速度レベルの低下量のコンター図を作成した.振動はプロトタイプで10Hzから70Hzの幅で行った.これより,トンネル下部分から振動が伝播していること,1G換算での10Hzから20Hz程度の低い周波数成分は地表部に良く伝わり,高い周波数成分になるほど地表部へ伝わりにくく減衰するという特性がわかった.
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