研究課題
廃棄物を安全に処分する技術を確立することが、緊急の社会的要請となっている。有害な物質を含んだ大量の廃棄物は、地層中に隔離材を設置して埋め立てることになる。この隔離材料として期待されているのが、各種の粘土材料(特に、ベントナイト)であり、鍵を握るのが、有害物質が環境中に流出することを阻止する隔離材料の物理化学的な性能である。欧米では粘土材料を隔離材として用いる技術が広く採用されつつあるが、安全確保上の性能を評価する際に最大の問題点は、有害物質の移動を抑制する粘土系材料の性能と挙動を推定する手法が確立されていないことにある。従来は、分配係数を含んだ拡散方程式を導入するマクロ現象論的アプローチが提案されているが、分子レベルからマクロレベルに渡る現象が関与する物質移動や長期の挙動を予測する問題に対して、これらの現象論的手法は物理化学的挙動の本質を明らかにしていない。また、使用されたモデルに対して科学的な確証を与えることの出来る実験法(確証実験)についても、課題として残されている。本研究では、廃棄物中で特に有害性が問題とされる数種の金属イオンについて、粘土中の吸着・拡散特性を分子レベルから実際の地盤中に設置された隔離材のマクロ挙動まで一貫して解析し、検証している。本年度は、水和スメクタイト粘土の分子動力学計算(継続)、X線回折実験(継続)、ミクロ構造・物性とマクロ挙動を結びつける均質化解析のためのプログラムの開発改良(継続)、ミクロレベルの吸着特性の解析システムの開発(新規)、Cs^+イオンのIn-diffusion法による拡散実験(継続)等を実施した。
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資源と素材 119
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